
令和トラベル執行役員のまがらです。
2025年10月1日付けでVPoEからCPOへと肩書が変更になりました。改めてよろしくお願いいたします。
さて、本日はCPO就任と同時に、AIファーストカンパニー化を宣言し、社内にAX室という全社のAIトランスフォーメーションを推進する部署も立ち上げましたので、令和トラベルのAIへの取り組みについてご紹介させてください。
AI時代の到来
生成AIは「インターネット以来の生産性革命」と言われています。
紙からPCへと業務の前提が変わったように、AIによる人間の能力拡張やAI化による業務生産性向上が一気に進むパラダイムシフトが起きています。
2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれ、CursorやClaude CodeなどAIコーディングツールなど具体的に世界で広く利用されるAIエージェントサービスの事例も増えてきています。
それらのAIネイティブ企業の中には、10人以下のチームでAIエージェントを武器にユニコーン企業へと成長する例も出ています。
生成AIの活用は、企業の競争戦略のなかですべての前提として考えねばならない経営アジェンダとして、日に日にその重要性が増してきている状況です。
令和トラベルにおけるこれまでの生成AI活用
そのようななかで、これまでも令和トラベルはAIにbetし、さまざまな取り組みをしてきました。
半年前にはAIラボというAIチームを本格的に立ち上げ、全社員への生成AIの啓蒙や、部分的な業務改善機能の実装、AIを活用した全社の業務改善をテーマにした開発合宿の実施、「トラベルプランナー」というカスタマー向けの旅程生成機能の実装、「NEWT Chat」というAIネイティブな新規プロダクトの立ち上げなど、多くの施策を推進してきました。

これらの取り組みの結果、いまでは大多数のメンバーが日常業務でほぼ常時AIツールを利用しているレベルのAI利用率にもなりましたし、旅行代理店としてのコア業務においても大きな生産性向上につながるAI機能も実装できました。

加速するAI時代への危機感
素晴らしい成果がつぎつぎと生まれる一方で、生成AIの技術進化やエコシステムの発展のスピードに対して、自分たち自身のAI活用レベルの向上スピードが追いついていない危機感が日に日に強くなっていきました。
そもそも我々は「令和時代を代表する、デジタルトラベルエージェンシーをつくる。」というビジョンを掲げ、創業当初から並々ならぬ力を入れて最先端のテクノロジー活用によるUXの追求、旅行代理店としての業務の完全自動化を目指したシステム構築などに取り組んできました。
そのようなテクノロジー集団を目指す我々が、生成AIの進化スピードに取り残されるということは、自分たちの存在の否定でしかなく、到底許容できるものではありません。
これからのAI時代にも選ばれつづけるサービス、会社でありつづけるためには、AIの活用度合いを飛躍的に前進させなければならない。全社をAIを前提に大きくトランスフォーメーションさせていかなければならない。
そんな想いから、このタイミングで社内にむけても「AIファーストカンパニー宣言」を行い、AX室を立ち上げることとなりました。
AIファーストカンパニー宣言

「AIファーストカンパニー」とは、すべての事業・組織・戦略の前提にAIを置いて設計されている会社を指します。
組織文化のAIネイティブ化、AI駆動の業務プロセス、AIを前提にしたプロダクト・サービス設計。
これらを令和トラベル・NEWT(ニュート)のOSとしてインストールし、自分たち自身を変革していくAIトランスフォーメーションを実現することを目指します。
具体的には2,3年のうちに以下の実現を目指します。
1. 想像もつかないレベルでの組織生産性の向上
以下は業務の自動運転レベルを表した表です。

ルールベースのソフトウェアで業務の自動化を推進してきた我々の現在地は、レベル1です。
事業運営に必要となる一連のコア業務の自動化レベルを大きく引き上げ、3年後にはレベル5の「完全な自立エージェント運用」レベルにすることが大きな目標の1つです。
この自立エージェント運用での事業運営により、組織生産性を現行比5倍水準に高めることを目指します。従業員一人あたり流通額という財務指標でみても業界水準の10倍以上のレベル感になります。
正直、現時点でもこれまで積み上げてきた業務自動化システムによりコア業務の自動化はかなり進んでいます。
ここからさらに5倍の水準に生産性を高めるということは、ほぼ人が介在せずに事業運営がされるというレベル感の挑戦にはなってきますが、AIトランスフォーメーションによりそれを成し遂げたいと考えています。
2. すべての旅行者に寄り添う、トラベルAIエージェントの提供
1の業務生産性向上の結果、サポートを少人数でもスピーディーに提供できるようになります。
このAIによってもたらされた前人未到の生産性と超速対応により、一人ひとりに完全パーソナライズされたきめ細やかな旅行サポート体験を提供できるようになります。
旅行の情報収集から予約、渡航準備、旅行中までワンストップであなたの旅行を完全サポート。そんな全くあたらしい旅行体験を、NEWTにAIエージェントとして実装していきたいと考えています。
(※「AI×プロダクト」の取り組みについてはまた別途詳しく記事を書こうと思います。)
AIファーストカンパニー化を推進するAX室
これらのレベルでのトランスフォーメーションを成し遂げるには、これまでのようなAIチームだけがAIをうまく活用できるだけでは到底望む時間軸で到達することはできません。
今求められているのは全社員が高いレベルでAIを使いこなせること、そして全部署が自分たち自身でAIを活用して業務生産性を自立的に向上させ続けられること、この2つが必要不可欠です。
これらを待った無しで一気に進めること。
特に、組織レベルの業務生産性向上を全部署で引き起こすこと。
これこそが令和トラベルが「AIファーストカンパニー」になるための重要な変革点になると考えています。
しかし、当然現時点では全ての社員がAIをフル活用して自分たちの業務変革を今すぐできるわけではありません。
AX室はAIのイネーブルメント組織として、全社員、全部署のAI活用レベルアップをサポートし、令和トラベル全体のAIトランスフォーメーションを推進していくことが役割です。

まずは土台として全社員のAIリテラシー、AIスキルを向上させること。
DeNAさんのAIスキル定義でいうレベル3を全社員が当たり前レベルとして到達することに取り組みます。

そして、組織レベルでの業務生産性向上は、部署ごとに生産性向上を目指す業務を定め、具体的な改善目標も定めたうえでAI活用による業務自動化にトライすることを全力でサポートすることから活動をスタートしていきます。
プラスで、AI×プロダクト。プロダクト観点ではまだ勝ち筋も見えておらず、様々な機能を検討、検証していきたいという考えがあるため、ここはAI開発チームでNEWT Chatの立ち上げやNEWT本体へのAI機能実装を試行錯誤していく予定です。

誰にとってもこれまでの働き方、プロダクトのあり方をアンラーニングするのはとても大変です。
でも、今変わらなければ、間違いなく2、3年後に後悔します。逆にいうと今このタイミングで自らを変えることができれば大きなチャンスが広がることになります。
AIファーストカンパニー化、恐れずに大胆に進めていきたいと考えています。
AX室では一緒に働く仲間を募集しています
すでに日々新たなAIニュースが飛び交い盛り上がっていますがAI時代はこれからが本番です。
令和トラベルでもAX室が中心となり、全員で全力でAIを駆使し、時代に即した「あたらしい旅行を、デザインして」いきたいと考えています。
これからおもしろい取り組みがたくさん始まる予定です。
旅行領域におけるAI活用おもしろそう!と感じていただいた方はぜひご連絡お待ちしています!
フランクに話だけでも聞きたいという方は、カジュアル面談も実施できますので、お気軽にお声がけください。
それでは次回のブログもお楽しみに!Have a nice trip ✈️