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“一人目エンジニア”が語った、『NEWT』リリースの舞台裏──令和トラベルで開発する面白さに迫る

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Nov 25, 2022
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Sakurai Mizuki
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私たち令和トラベルは「あたらしい旅行を、デザインする。」というミッションのもと、2022年4月5日に海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』をリリース。現在、“かんたん・おトク・えらべる・あんしん”を軸にパッケージツアーなどを提供しています。
会社を創業する前、プロダクトの構想段階から“一人目のエンジニア”として、プロダクト開発をリードしてきたのが松井一歩(まつい・いっぽ)さんです。今回はなぜ、いっぽさんがプロダクトの形もない創業時の令和トラベルに参画しようと思ったのか、さらにプロダクトのローンチを経て感じていること、これからの挑戦について話を聞きました。
インタビュアーはQAエンジニアの櫻井(さくらい)みづきです。
 

この記事に登場する人

  1. 松井 一歩(まつい・いっぽ) / Twitter
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      新卒でクックパッドに入社した後、ブロックチェーン技術を扱うGincoの創業期にiOSエンジニアとして参画。その後、開発部マネージャー、新規事業のフロントエンドリードエンジニアを担当。
       
  1. 櫻井(さくらい)みづき / Twitter
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      新卒で ERP パッケージの開発・QA を担当した後、2018年よりメルペイにQAエンジニアとして参画。Lead QA Engineerとしてメルペイコアローンチに携わった後、Engineering ManagerとしてQAチームを牽引する。現在は、『NEWT(ニュート)』を運営している令和トラベルの1人目QA Engineerとして、QA組織の立ち上げと品質管理を行なっている。他、D&I推進活動やエンジニア広報など多岐にわたって奮闘中。
       

      「趣味×IT」の掛け合わせで築いてきたキャリア

       
      ──まず、令和トラベルに参画するまでのキャリアについて教えてください。
       
      自分は「趣味×IT」の領域で仕事をしたいという思いがあり、料理をすることが好きだったので料理領域で有名なクックパッドに新卒で入社しました。また、クックパッドはエンジニアも優秀なメンバーが多いイメージがあり、入社することで自分自身のエンジニアとしてのスキルを高めることができるのではないか、そんな考えもありました。
      ただ、入社から1年も経たないタイミングでに友人から「起業するので一緒にやらないか?」と誘われ、クックパッドを退職して会社の立ち上げに参画することにしました。
      クックパッドでは大きな組織でプロダクト開発をする経験ができたのですが、その過程でゼロからプロダクトを開発する経験もしたいという思いも芽生えていたこともあり、友人からの誘いが当時の自分には魅力的に感じました。友人が立ち上げた、その会社では主にブロックチェーン領域における開発を3年半ほど経験しました。
       
      ──そこから、どのように令和トラベルと出会ったのでしょうか。
       
      新型コロナウイルスの感染が拡大し、在宅時間が増えたことで自分について考える時間ができたんです。そこで今後のことなどを考えた結果、新たに副業をやってみようと。そう思い、自分が興味を持てそうな会社を探していたら、SNSで代表の“しのさん”が高級宿グルメEC『TASTE LOCAL』の開発を手伝うボランティアメンバーを募集していて。
       
       
      篠塚さんのことは宿泊予約サービス『Relux』を運営するLoco Partnersの創業者であることは知っていました。また、『TASTE LOCAL』もコロナ禍で苦しむ旅館業の手助けをしたい、という思いから立ち上がったサービスということもあり、“旅行好き”の自分としては非常に面白そうなサービスだなと思ったんです。そうした経緯から、まずはボランティアメンバーとして『TASTE LOCAL』の開発に関わり始め、その後は副業メンバーになりました。
      関わり始めてから半年ほど経った2020年の夏ごろに、CSOの受田から「新たに海外旅行を軸にしたサービスの立ち上げを考えているんだけど」という話をもらったんです。
      当時、コロナ禍で海外旅行の需要が落ち込んでいる中、あえて逆張りの発想で海外旅行のサービスを立ち上げていく。すごくチャレンジングな取り組みで面白そうだと思いましたし、何より「趣味×IT」という自分のキャリアの軸にもマッチしていると思い、創業のタイミングで令和トラベルに参画することにしました。
       
      ──当時、開発メンバーもいなかったと思います。参画するにあたっての不安はなかったのでしょうか?
       
      リードエンジニア 松井 一歩
      リードエンジニア 松井 一歩
       
      開発メンバーは完全にゼロでしたね(笑)。もちろん、いちエンジニアとして不安がなかったと言えば嘘になりますが、ただ『TASTE LOCAL』の頃から一緒に働いている人たちが参画することも決まっていて。当時から、尊敬できる人たちですごく働きやすいという感じがあったので、すごく不安があったというわけではありませんでした。また、篠塚さんがシリアルアントレプレナー(連続起業家)ということもあり、経営者としての魅力はもちろんのこと、いろんな面で尊敬できる部分があったことも不安を解消する意味では大きかったです。
       

      プロダクト開発で意識した「技術選定」のポイント

       
      ──篠塚さんからオファーをもらったときは会社も登記されていなかったですし、令和トラベルという名前も決まっていなかったはずです。当時、エンジニアとしてはどのようなことに取り組んでいたのでしょうか?
       
      2020年の年末に正式にオファーをいただき、プロダクト開発に着手していきました。当時から海外のパッケージツアーを軸にすることは決まっていたので、副業で関わってくれていたもう一人のメンバーとプロダクトの技術選定から始めていきました。
       
      ──ゼロベースからのプロダクト開発という点においては、前職での経験は生きましたか?
       
      前職でゼロからプロダクトを開発した経験があったのは大きかったと思います。前職時代、自分はiOS開発とフロントエンドを担当していたのですが、みんなで一緒にバックエンドやAndroidの技術選定も決めるフローになっていたので、それぞれの技術にどういったメリット・デメリットがあるのかも、それなりに理解できていました。そういった積み重ねが、今回のプロダクト開発においても生きたなと思います。
       
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      ──前職と比較した際、ゼロからプロダクトを開発していくことにおいて、技術者として何か違いを感じる部分はありますか?
       
      まず、事業領域は異なるので必要な技術も違いますし、開発における考え方にも違いがあります。ブロックチェーン事業の開発では、「ブロックチェーンと相性が良い」という軸で技術選定をしていました。具体的には、ノード(ブロックチェーンのネットワークに参加しているコンピューター機器のこと)の運用をしやすい言語は何かといった感じです。
      一方で、今回はスピード感を持って開発を進めていくために、フロントエンドとバックエンドがシームレスに行き来できることを軸にしています。そのため、フロントエンドとバックエンドの両方でTypeScriptを採用しています。
      また、旅行予約アプリというサービスの性質上、将来的に外部サービスとのAPI連携は増えていくことが想定できたので、軸となる技術を選定できたら、あとはその都度、開発する機能に最適な言語を選んでいく、という考えで今の技術スタックが決まっています。
      今のところ、フロントエンドとバックエンドの両方でTypeScriptを採用しておくと、プロジェクト内でのノウハウが共有できたり、モジュールが共有できたりするので、初期のプロダクトの立ち上げフェーズにおいては最適な技術スタックだったと思います。
       

      組織として最短距離で進んでいく状態をいかに作り出せるか

       
      ──2022年4月に海外旅行予約アプリ『NEWT(ニュート)』リリースに至るわけですが、それまで開発はどういう状態だったのでしょうか?
       
      QAエンジニア 櫻井みづき
      QAエンジニア 櫻井みづき
       
      リリース前は少人数のチームで、密にコミュニケーションをとりながら開発していました。スピード感を持って開発を進めることができた一方で、プロジェクトマネジメントなど細かいリリースサイクルの管理ができていなかったという課題もありました。
       
      ──途中でスケジュールの遅延や開発メンバー間での認識のズレなどは起きなかったのでしょうか?
       
      プロダクトのリリース前までは、そこまで課題は出てこなかったんです。ただ、開発スピードを優先していたので、リリースしてから開発の漏れがたくさん出てきました。70〜80%の精度で早く開発することはできたのですが、残りの20〜30%のリリース前の詰めなどが、そのやり方では大変だということがわかりました。また、リリース後にもさまざまなカオスが生まれて、各々のアウトプットが最大化できないというジレンマもあります。
       
      ──そういった課題をどう乗り越えていけばいいのでしょうか?
       
      銀の弾丸(特効薬)的なものはないと思いますし、今から未来を予測することもできない。フェーズによってその場、その場でいろんな課題が出てくると思います。そうした課題に対して、チーム全員で共通認識を持ち、柔軟に対応していくのが望ましいと思います。
      現在、組織も拡大しており、チームもどんどん大きくなっているので、開発のベースとなる考え方をより一層、浸透させていかなければと思っています。
      そうした考えを“みんなの当たり前”として刷り込んでいき、いかに組織として最短距離で進んでいく状態を作り出せるか。新しく入ってきた人たちが“足し算”ではなく、“掛け算”のような形で成果を出せるような仕組みづくりにも着手していこうと思っています。
       

      難しいことを、いかに簡単に見せるか。令和トラベルならではの挑戦

       
      ──「旅行」という事業テーマにおいての技術の難しさ、面白さはどこにありますか?
       
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      ひと口に「旅行」と言っても、旅行にはさまざまな要素があります。例えば、海外のパッケージツアーでも航空券やホテルの手配、保険などのオプションが必要です。旅行には、さまざまなステークホルダー(利害関係者)が関わっていて、それぞれの要素をデジタル化していくのは大変です。人数や日にちによって価格も変動しますし、想像していた以上に旅行の裏側は複雑だなと感じています。ただ、そこをデジタル化できれば“あたらしい旅行”の形を提案できる。そこには非常に大きな可能性があると思います。複雑になっているものをテクノロジーの力で簡単にし、それをシンプルな形でお客さまに提供していく。難しいことを、いかに簡単に見せるかがやりがいであり、令和トラベルならではの挑戦なのかなと思います。
      また、会社にもいろんな業界・業種を経験してきた人たちがいるので、その人たちと一緒に自分が持っていない知見も生かしながら、より良いものをつくっていく。今までテクノロジーをあまり使ってこなかった人たちも巻き込みながら、組織全体でより良いものをつくっていけるか。難易度の高いイシューだと思いますが、とてもやりがいがあります。
       
      ──プロダクトのリリース前後で一番変化したことはなんでしょうか?
       
      チーム全体でリリースサイクルやプロジェクトマネジメントを意識して開発を進められる体制になったのは大きな変化だと思います。また、個人ではひたすらコードを書くことから、チームのアウトプットをどうやって最大化するかを考える役割になりました。プロダクトをリリースし、実際に使ってもらうことで、今まで見えていなかった課題も見えてきたので、今後はそうした課題を解消しながら、より良いサービスにしていきたいです。
       
      ──最後に、これからやりたいことを教えてください。
       
      「令和を代表するプロダクト」をつくっていきたいと思っています。そのために必要なのは、カスタマーに対して最速で大きい価値を出すことです。そのために開発組織を大きくしていくことはもちろんのこと、個人としてはいろんな領域から情報をインプットすることは引き続き心がけていきたいです。iOSやフロントエンドだけでなく、バックエンドやAndroid、機械学習の情報などもインプットをした上で、それらを最速でアウトプットできるようにしていく。そこを意識して、仕事を進めていくつもりです。
      今後、海外旅行予約アプリ『NEWT』以外にも、いろんなプロダクトが令和トラベルから生まれていく予定です。少しでも興味を持った人は、ぜひ一緒に働きましょう!
       

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      それでは次回のブログもお楽しみに!Have a nice trip!!