
こんにちは!令和トラベル エンジニアリングオフィスです。
この記事では、2025年3月11日に令和トラベル技術顧問の竹内 真さんをお招きして開催した『Fireside Chat🔥』の様子をレポートします!
竹内 真さんは、令和トラベル創業当初から技術顧問として、事業成長を支えてくださっていました。創業当初からこれまで技術戦略のみならず、経営戦略・組織戦略など多面的にアドバイス・サポートしてくださいました。
この度、2025年3月末付にて技術顧問を退任される運びとなり、今回はオフィスにお越しいただき、最後に直接お話できる機会として『Fireside Chat』を開催しました!
『Fireside Chat🔥』とは?
『Fireside Chat』とは?
カジュアルでインタラクティブな形式の対談イベントやディスカッションを指し、もともとは1930年代にアメリカ大統領フランクリン・D・ルーズベルトが行った国民向けの親しみやすい演説シリーズの名称として使われていました。
令和トラベルでは、代表篠塚をはじめとしたボードメンバーとざっくばらんに情報交換やディスカッションする時間を「Fireside Chat」と呼び、毎月の締め会(*)や入社メンバーとのオンボーディングコンテンツの1つとして開催しています。
(*令和トラベルでは、毎月初週に各部門における期を通した進捗や取り組み、前月の成果などをシェアする「締め会」を開催しています。)
竹内 真さん について
まずは、技術顧問 竹内 真 さんについて簡単にご紹介します!

2001年、電気通信大学情報工学科を卒業後、富士ソフトABC株式会社(現富士ソフト株式会社)に入社し、主に官公庁や大手通信会社向けのシステム開発に従事。2007年、株式会社リクルートにて全社共通基盤フレームワーク開発などに従事し、同時にSeasarプロジェクト内でOSS活動も開始。2008年、株式会社レイハウオリを創業。その後、ビズリーチの創業準備期に参画し、取締役CTOに就任、2020年2月よりビジョナル取締役CTOに就任、2024年10月に同退任。
令和トラベルには、2021年7月よりこれまで技術顧問として技術戦略のみならず、経営戦略・組織戦略など多面的にアドバイス・サポート。2025年3月末にて技術顧問退任予定。
Fireside Chatの様子
当日は、プロダクトチームメンバーを中心にオフィスに集合しました。さらに部門を越えた令和トラベルメンバーを含め、オンライン・オフラインを含めて約80人がFireside Chatに参加しました。
全体のファシリテーションを取締役CHRO 田村が担当し、事前にメンバーから集めていた質問やテーマをはじめとして、参加者からの質問もリアルタイムに拾い、回答しながら活発なディスカッションが行われました!
当日のディスカッション内容やQ&Aについて簡単にご紹介します!


— エンジニアに限らず、「これからの目指すべきAIとの付き合い方、テクノロジーとの付き合い方」についてどのように考えていますか?
いきなりAIがすべてに取って代わる未来が急にやってくるわけではないですが、技術革新は目まぐるしく、徐々にAIがいろんな側面で置き換わっていくことを想定すると、僕たち生身の人間は、AIをゲームでいう「装備品」だと思って付き合っていくのがいいと思ってます。
“AI”っていう装備品を身につけることで、自分の出力が何倍にも跳ね上がっていくみたいなことはエンジニアに限らず実現できると思うので、商品になってるAIサービスをなんでも使ってみて、「こんなことができるんだ」ということを経験して、武器にしていくといいと思います。
— 中長期的に活躍するビジネスパーソンとしてどんなことが重要だと思いますか?

ClaudeとかDevinとかのサービスを駆使すれば、「こういうアプリが欲しい」ということを言語化することで、エンジニアでなくても簡単なプロダクトやサービスを作れてしまう時代なんです。
バックオフィスやミドルオフィスで働く人々にとって、データ管理のためにエクセルやスプレッドシートでがんばっているケースってまだまだあると思うのですが、AIを駆使することによってプロダクトを簡単につくれちゃえば、コストを圧倒的に抑えたイノベーションを起こせる瞬間ってたくさんあるんですよね。
これからのビジネスパーソンに求められるのは、こうしたAIツールを積極的に活用して、自分の武器にすること。AIを活用できることで、仕事が劇的に早くなったり、生産性が高くなったり、ミスを減らすことができたりして、ちゃんとChatGPTを使いこなすことができればエンジニアでなくてもそういうレベルになっていく。
3年後には、「簡単な管理ツールくらいなら自分で作れますよ」というようなビジネス職の人材が増えて、転職マーケットにあふれていくと思うんです。エンジニアだけでなく、ビジネス職のメンバーもそういったAIツールを積極的に触って武器にしていくことは重要ですよね。
— AI以外の汎用的な観点ではどうですか?
そうですね、結局AIの話になってしまうんですが…(笑)
AIツールの進化で、言語の壁がほぼ存在しなくなりつつあります。GPTのようなモデルでは、どんな言語で検索してもある程度同じような精度の情報で結果が返ってきます。
英語ができることはもちろん大きな強みではあるのですが、ただ英語を話せるだけでなく、バイリンガルのように異なる言語間のニュアンスや構造を理解する能力が必要になってくると思うんです。
特に日本語のように文脈依存が強い言語を日常的に使っていると、適切なプロンプトを構築する能力っていうのがめちゃくちゃ重要になってくる。考えていることをだれにでも伝えられるように、ディテールを言葉にできることが必要になってきますよね。
これまではそれをコンピューターに伝えるのがプログラミング言語だったんですけど、それがこれからは自然言語での指示になっていくので、自然言語を使って確実に伝える・言葉を研ぎ澄ますという力や頭の使い方を身につけることが重要なのかなと思います。

— 今後、令和トラベルに起こるであろう特に大きな壁はどういったものがありそうですか?
組織の規模が100人、300人と拡大していく中で、一番難しいのはやっぱり「権限委譲」だと思います。経営陣がどう委譲していくかはもちろんですが、権限委譲されるべき人が組織にいるのか?も同じくらい重要ですよね。
会社・組織のミッションや目的に対して、仮説を立てて投資して、振り返って、失敗したらまたそれを生かして、成功したらまた新たな仮説を立てて….みたいな、シンプルだけど、これを自分で駆動できる人っていうのは、意外と少ないんです。逆に言えば、ビジネスにおける人格をちゃんと設定できて動ける人が多くいれば権限委譲が進むし、経営陣がボトルネックになる状況も避けられますよね。
100人の壁って、組織が4レイヤーになるフェーズなんです。100人に達するタイミングで、この4レイヤーができていないと適切に指示命令系統が回らずに、どこかに強い負荷がかかってしまう。社長がいて、役員・部長陣がいて、マネージャーがいて、メンバーがいてという構造において、マネージャーにある程度の決裁権が委譲できている状態がつくれているか。さらに、そのレイヤーの人材が採用できているか、社内で育成できているか、というのが大きなポイントだと思いますね。
— そういった課題に対して、経営陣の立場として、またマネージャーやメンバーの立場として意識していくべきポイントはありますか?
経営層にとってはとても難しいことではあるのですが、マネージャーの要件を定義することだと思います。マネージャーが育たないという課題を持っている会社は、「マネージャーとしての期待役割はこれ」というような定義ができていないことが多くて、これは会社の責任かなと思いますね。
一方で、メンバーのみなさんに向けてお伝えすると、ヒューマンマネジメントやプロダクトマネジメントなどを含めたあらゆるマネジメントというものは、本質的にはスキルセットだと捉えてほしいなと思います。
「コードを書きたい」なのか、「良いものをつくりたい」っていう考え方なのか、もし後者の考え方の場合、1人で作るよりも100人を束ねて大きなプロジェクトを動かすほうが、自分の意思で自分が思う ”良いもの” をつくることができる。そういった意味で、マネジメントというスキルはすごい近道になるんですよね。
そのためにも、経営陣にはマネージャーというものになにを求めるのか?ということをしっかりと言語化してもらいたいなと思います。

参加した令和トラベルメンバーからの声
当日、『Fireside Chat🔥』に参加したメンバーの声を集めてみたので、いくつか紹介していきます!
他の言語を学ぶ必要性のお話は、とてもとても納得感がありました。また、エンジニアも事業の財務成果に対して責任意識を持ち、積極的に関与することの重要性を再認識しました。
今後の課題の想定について解像度があがりました。権限移譲については特に大事だなと思いました。
メンバーが増え、これからチーム・組織で成果を上げるということが求められる中で、どういった貢献が自分にできるのか、きちんと考えなければいけないなと感じ、「ビジネスパーソンを演じる」のようなシンプルなアドバイスは参考になりました。
ビズリーチ社のようなすさまじい成長を遂げた会社の人間でありたいし、その成長をつくりあげる当事者でありたいと思わされました。また台頭するテクノロジー(AI)に対して、冷静で本質的な視点を向けている姿勢もとても勉強になりました。
真さんのこれまでのご経験から語られる、ぶっちゃけトークも交えたお話は、創業からお世話になってきたメンバーも、今回のFireside Chatがはじめましてだったメンバーにとっても、職域を越えてとても有意義な機会となったようです🎉
おわりに
今回は、創業から技術顧問として令和トラベルの成長を後押ししてくださった竹内 真さんの退任前最後の機会として開催した『Fireside Chat』についてレポートさせていただきました。この機会に令和トラベル一同から3年間の感謝の気持ちも直接伝えることができました。
改めて、創業からこれまで本当にありがとうございました!

また今回の参加者アンケートでは、今後もこのような機会があると嬉しいという声ももらい私たちのバリューである”Learn New”に繋がるような学びの機会を定期的に開催したいと思いました!
今後も外部のゲストをお招きし、新たな視座や学びが深まる機会を設計していくつもりです🔥
次回の開催は、 ”toCプロダクトにおけるAI活用“ をテーマに!
令和トラベルでは、技術的な知識や知見・成果を共有するLT会を毎月実施しています。発表テーマや令和トラベルに興味をお持ちいただいた方は、ぜひご参加ください!
次回テーマは ”【4社協賛】AI時代のtoCプロダクトマネジメントとは?”
4月の開催は、LayerX社・スマートバンク社・エクスプラザ社・令和トラベルの4社にて、タイアップイベントを企画しています!
「toC事業におけるプロダクトマネジメントに、どのようにAIを活用しているのか?」について、4社それぞれの取り組みについてご紹介します。今回は、オフライン(現地)枠のみとなりますので、プロダクト開発の裏側のリアルなエピソードやオフラインならではのここでしか聞けない本音の部分までお話する予定です!
イベント後には、懇親会も実施予定ですので、AIを用いたプロダクトマネジメント経験や課題について意見交換しながら、より有意義なお時間にできればと思っております。
今後開催するイベントについての最新情報は connpass にて更新しておりますので、ぜひメンバー登録してお見逃しなく!
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