【イベントレポート】「QA Career Talk vol.5」を開催しました!

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Hironori Nakano
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QA
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Jul 4, 2025
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QA
Career
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こんにちは!令和トラベル エンジニアリングオフィスです。
この記事では、2025年6月25日にオンライン・オフラインのハイブリッドで開催された「QA Career Talk vol.5」の様子を紹介します!
今回のLT会では ”QAエンジニアの生存戦略” と題し、令和トラベルよりmiisan、そしての株式会社ダイニーよりGakuji Tanakaさん、アルプ株式会社よりAkihiro Yokotaさんをゲストに招き、AI時代におけるQA戦略や考え方などについてたっぷりお話ししました!

『QA Career talk』とは?

QAエンジニアのキャリアをテーマに語り合うイベントとして、数年前から開催を続けてきたのが『QA Career talk』です。
AIの台頭、開発プロセスの変化、品質概念の拡大など、QAエンジニアを取り巻く環境は時々刻々と変化し、QAエンジニアの役割も大きく変わる時代となりました。
約1年ぶりの開催となる第5弾の今回は、「QAエンジニアの生存戦略」をテーマに、それぞれの環境で活躍するQAエンジニア3名が『3つのサバイバルキット』をキーワードに、QAエンジニアの未来について考えていきました。

テーマは “QAエンジニアの生存戦略”

今回のイベントでは、『3つのサバイバルキット』をキーワードとして、パネルディスカッション形式で実施。AI時代におけるエンジニアの生存戦略を考えていく上で、以下の3つの要素をサバイバルキットとして定義しました。
💡
3つのサバイバルキット
📣 メガホン:チーム内外への品質意識の浸透、QA文化の啓蒙
🧭 コンパス:QA戦略の構築、ビジョンや方向性の示し方
🤖 ロボット:自動化、AI活用など最新技術へのアプローチ
 
今回は、令和トラベルに加え、株式会社ダイニー・Scalebase株式会社の3社での QA Career talk でした。イベント冒頭では、登壇者の自己紹介・会社紹介パートがあり、今回のテーマである「QAのテーマ生存戦略」「3つのサバイバルキット」におけるそれぞれの取り組みや考え方を紹介しました。

#1. 株式会社令和トラベル:miisan

1人目は、令和トラベルからHead of Engineering Officeのmiisan。
『あたらしい旅行を、デザインする。』というミッションのもと、旅行アプリ『NEWT(ニュート)』を提供している令和トラベル。プロダクト開発における、「3つのサバイバルキット」についての考え方や取り組みについて紹介しました。
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📣
メガホン:
創業当時からプロダクト開発組織全体での品質活動の共通認識を揃えることから開始し、現在では、入社時に全社員向けにQAオンボーディングを毎月実施。
🧭
コンパス:
「品質とスピードはトレードオンできる」という方向性を掲げ、品質を開発生産性の一要素として位置付け、令和トラベルのプロダクト開発組織としての品質に対する考え方を統一。
🤖
ロボット:
自動化戦略が変化し、開発チームとの協業によるスピードアップを図り、AIは仕様理解、インシデント分析、開発プロセスのアップデートに活用
 
その他、イベント内で話しきれなかったことについてはこちらの記事にまとめていますので、ぜひご参照ください!
 

#2. 株式会社ダイニー:Gakuji Tanaka

2人目は、株式会社ダイニーの学さんが発表しました。
「飲食をもっと楽しく面白く」「全ての人の飲食のインフラになる」をミッションに、飲食店向けのSaaSサービスを提供しているダイニー社。8プロダクトを展開し、「全員品質」の考え方を全社に浸透させる取り組みについてご紹介いただきました。
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📣
メガホン:
QAポリシーを作成して品質意識とQA文化の浸透を図り、自社プロダクトを実際に店舗で体験する「シフトイン」という取り組みを実施
🧭
コンパス:
QAポリシーと連携したQAロードマップを作成し、QA組織とQAエンジニアが進むべき方向性を明確化
🤖
ロボット:
テスト自動化とAI活用に力を入れ、ChatGPT、Cursor、Notion AIなどを活用して観点出しや文章整理を実施
 
 

#3. Scalebase株式会社(旧アルプ株式会社):Akihiro Yokota

3人目は、Scalebase株式会社のあきさんの発表です。
「あらゆる企業にフルスイングを」をミッションに、販売管理システムの「Scalebase」と請求決済システムの「Scalebase Payment」を開発・運営する当社における、QAエンジニアの生存戦略について語られました。
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📣
メガホン:
「Working Out Loud」の考え方を実践し、未完成な状態でもどんどん外部に情報を出し、社内外の接点を増加させる
🧭
コンパス:
「クオリティコンパス」という社内での取り組みで、サービスとして守りたい品質を言語化し、スコアリングして四半期ごとに振り返りを実施
🤖
ロボット:
E2Eテストの整備が中心で、ローコードとコードベースの両方のテストを使い、24時間365日短時間で同じテストを回せるように整備
 

パネルディスカッションの様子

3社の自己紹介・会社紹介のあとは、いよいよパネルディスカッションのパートです。それぞれのテーマや、語られた内容についてご紹介していきます!
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QAポリシーやQAロードマップの策定

プロダクト開発組織における “認識のズレ” を解消するため、会社のビジョンやミッション、バリューをベースに、各社それぞれ『QAポリシー』を策定していました。プロダクトごとに異なる品質要件に対応するため、ベースとなる方針をもとに各スクラムチームでさらに具体化して運用いるそうです。
また、『QAロードマップ』はQA組織として進むべき方向と、QAエンジニアとしてあるべき姿を明確化し、定期的に見直しをはかっていますが、この1年ほどのAIの進化により、ロードマップの引き方や定義がとても難しくなっている、というのが各社共通の課題のようでした。
 

クオリティコンパスのスコアリング方法

定性・定量の両方を用いて、定性的な評価として「仕様をどれくらいの人に理解してもらえているか」、定量的な評価として「インシデントの復旧時間」などを5段階評価やYes/Noで評価し、より精度の高い仕組みを構築するなどの取り組みが紹介されました。
 

AI活用と人の教育

AI活用においては、良い問いには良い答えを返す反面、曖昧な問いには曖昧な答えしか返さないため、「あなたは10年間経験を積んだベテランQAエンジニアだ」などの具体的な役割や定義を与えることで、より的確で精度の高い回答を得られることができます。
一方で、AI活用が進むことによって、AIから提供される大量の情報について、その “正しさ” を判断できる能力の育成が課題となっているそうです。
この課題に対し、令和トレラベルでは「AI局長」の選出や週次の技術共有会でのAI活用事例共有など組織的な学習・展開を進める一方で、ジュニア層には意図的にAIを使わせずにドメイン理解を深めさせるなど、取り組みを行っているとのことでした。
 

オンボーディングと文化の定着

オンボーディングと文化の定着において、ダイニーではNotionで1ヶ月、2ヶ月といった達成目標を定めたカリキュラムを作成し、メンターをつけて進捗を可視化する仕組みを構築していました。
また、令和トラベルでは、新入社員に対して初日から「品質作りは業務全体の共通マインド」であることやQAチームが相談窓口となることなど、プロダクト開発組織だけでなく全社的に関係性を早期に構築し、品質に対する共通のコンテキストを揃えることを目指しています。
 

QAの価値と役割の変化

AIの活用により、実装やテストといった行為そのものの価値は失われる可能性があると認識される中、AIは「相棒」や「パートナー」として位置づけられ、QAエンジニアは「クオリティデザイン」など人間が考えるべき「How」の領域に注力し、価値提供を最大化することが求められていく、といった共通認識が議論されました。
AIを使いこなす人が置き換わるのであってQAというロール自体がなくなるわけではなく、その変化にきちんと向き合うことが重要であり、AIが価値提供の「How」を担う中で、QAエンジニアはビジネス、技術、体験(UX)といった領域を横断的に捉え、顧客への価値提供を人ならではの役割に注力すべきだと語られました。
 
今回の発表資料全体はこちら!
 
当日の様子や発表内容が気になる方は、こちらから視聴可能です!👀
 

懇親会パートの紹介

発表後には、毎回恒例の懇親会を開催しました!登壇者の3名を中心に活発な交流が行われていました。登壇では話せなかった内容についても深掘りなどがなされ、有意義なナレッジシェアの場になったのではないかと思います。
毎度、直接オフィスへお越しくださる方には、お食事とお飲み物をご用意しております。みなさま、ご足労いただきありがとうございました!
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まとめ

発表後の質疑応答セッションでは、オフライン参加者からだけでなくオンライン参加者からも質問が集まり、充実した時間となりました。
各社それぞれにおいて、品質文化の浸透、方向性の明確化、そしてAIを活用した効率化と新たな価値創造など、AI時代におけるQAエンジニアの役割の変化に対応するための取り組みについて活発に議論がされました、
 
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【7月8日開催】4社合同イベントのお知らせ

令和トラベルでは、技術的な知識や知見・成果を共有するLT会を毎月実施しています。発表テーマや令和トラベルに興味をお持ちいただいた方は、誰でも気軽に参加いただけます。

テーマは ”事業開発×エンジニアリングの最前線”

今回は『顧客価値をドライブするエンジニアリングとは』と題し、Algomatic社/IVRy社/LayerX社/令和トラベルが集まり、スタートアップで組織の中核として事業を牽引するメンバーが発表を行います。IVRy社のオフィスにてオフライン開催となりますので、ご興味のある方はぜひご参加ください!
そのほか、毎月開催している技術発信イベントについては、connpass にてメンバー登録して最新情報をお見逃しなく!
 

令和トラベルでは一緒に働く仲間を募集しています

この記事を読んで会社やプロダクトについて興味を持ってくれた方は、ぜひご連絡お待ちしています!お気軽にお問い合わせください!
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それでは次回のブログもお楽しみに!Have a nice trip ✈️

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