AI時代における “プロダクト開発の新しい在り方” —— フィードバックサイクルの高速化を生むための新たなアプローチ

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Ryuichi Fukami
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Dec 5, 2025
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💡
 
こんにちは!令和トラベル BackendエンジニアのRickです。
 
今回は、10月から開発に携わっている旅行・サービス業に特化したAIチャットエージェント「NEWT Chat(ニュートチャット)」でリリース予定の “LINE連携機能” を題材に、AI時代における “プロダクト開発の新しい在り方” についてご紹介したいと思います。
 
「AIを活用することで開発速度は確かに上がった。だけど、チーム全体の成果や、カスタマーに届ける価値の総量が思ったほど伸びていない」
そんな違和感を抱いている方にとって、少しでも参考になる内容になれば嬉しいです。
 

💬 「NEWT Chat」とは?


NEWT Chat は、旅行・観光施設向けに提供しているチャットエージェントサービスです。
施設のサイトにウィジェットを設置するだけで導入でき、利用者はチェックイン時間、設備、アクセス、周辺スポットなど、気になることを24時間いつでも質問できます。
 
多言語対応や業界特化のナレッジにより、海外のお客さまにもスムーズに案内が可能で、問い合わせ対応の “取りこぼし” を防ぎながら、スタッフの運用負荷を大きく軽減できる点が特徴です。
 
詳しくはこちらをご覧ください。
 
 

📮 「LINE連携機能」とは?


▼ 実際にLINE公式アカウントからNEWT Chatを動かした様子
 
 
 
LINE連携機能は、NEWT Chat導入施設さまが自社のLINE公式アカウントをNEWT Chatと連携し、LINEメッセージに対してAIエージェントが24時間自動応答できるようにする機能です。
LINEユーザーが、文字を入力せずとも返信ができる、「クイックリプライ」にも対応しています。
実際のやり取りの記録(管理画面)
実際のやり取りの記録(管理画面)
LINE公式アカウントとの連携用画面
LINE公式アカウントとの連携用画面
 
 

👪 チームにデザイナーは0人、PMも兼務1名のみ


NEWT Chatチームは、令和トラベルの中でも “少数精鋭” の体制で動いていました。
🔥
  • 機能開発エンジニア
    • フルタイムエンジニア 3名(うち1名は兼務)
    • PP(*)エンジニア 3名
  • MLエンジニア 1名
  • QAエンジニア 1名
  • PM 1名(他チームと兼務)
  • Bizメンバー 数名
(*令和トラベルでは、業務委託の方をプロパートナー(PP)と呼んでいます)
 
PMは1名いますが、他チームとの兼務ということもあり、すべての施策で要件や仕様を作り込んでから着手するという進め方では、どうしても開発がスタートしづらくなります。
さらに、デザイナーがいないチーム構成のため、デザインは担当エンジニアが主導し、必要に応じてチーム内で意見をもらいながら決定していくスタイルを採用しています。
 
このような背景もあり、NEWT Chatでは「AIを活用して上流工程を補完しながら、少人数でも高速に開発する」というアプローチが自然と重要になってきました。
 
 

👩‍💻 要件定義から実装までをどのように進めたか


Step1: やりたいことを Cursor に伝えて要件を整理してもらう

前述の通り、機能開発に携わるエンジニアが6名いる一方で、PMは1名のみという体制です。そのため、各施策ごとにPMが要件や仕様を細かく詰め切るのは現実的ではなく、どうしてもリソースが逼迫してしまいます。
 
そこでまずは、PMが日常的に利用している Cursor の Plan model に要件定義を任せてみることにしました。試しに、やりたいことを箇条書きで伝えて回答を得てみたところ、予想以上に十分なレベルで整理された内容が返ってきました。
なお、Claude Code にも Plan model は存在しますが、こちらはどちらかと言えば実装寄りの詳細を出力する傾向があります。今回はエンジニア以外のメンバーも含めて共通認識をつくれるような「要件レベル」での整理が目的だったため、Claude Codeではなく、Cursorの Model を Auto に設定して利用しました。
 
※ Autoを選んだ場合も、モデル選択フローに沿って最終的にClaudeが選択されている可能性はもちろんあります。
 
Input:
NEWT Chat は現在、ウィジェット経由でのみ AI が回答できる UI を提供していますが、 これを拡張し、LINE 連携にも対応させたいです。 ## 実現したいこと - NEWT Chat 導入企業が、自社の公式 LINE アカウントを NEWT Chat と連携できるようにする - 連携された LINE アカウントにユーザーから問い合わせが届くと、NEWT Chat の Agent が自動で回答する ## 連携の流れ 1. NEWT Chat 導入企業は、自社の公式 LINE アカウントを用意する 2. NEWT Chat のダッシュボード上で、LINE のチャネルシークレットなどの必要情報を登録する
Output
# NEWT Chat LINE連携機能 要件定義 ## 概要 NEWT Chat導入企業が自社のLINE公式アカウントをNEWT Chatと連携し、LINEメッセージに対してAIエージェントが自動応答できるようにする機能。 --- ## ユーザーストーリー ### 導入企業側(Dashboard利用者) **ストーリー1: LINE連携の設定** - 導入企業は、ダッシュボードから自社のLINE公式アカウントをNEWT Chatのエージェントに紐づけることができる - LINE Messaging APIの認証情報(Channel Secret、Channel Access Token)を安全に登録できる - 登録したLINE連携の状態(有効/無効)を確認・管理できる **ストーリー2: LINE連携の管理** - 既存のLINE連携設定を編集・更新できる - LINE連携を一時停止または削除できる - Webhook URLをコピーして、LINE Developersコンソールに設定できる **ストーリー3: LINE経由の会話履歴確認** - LINE経由で受信した会話も、既存のWidget経由と同様に会話履歴で確認できる - 会話のソース(Widget/LINE)を識別できる ### エンドユーザー側(LINEユーザー) **ストーリー4: LINEでの問い合わせ** - ユーザーは連携されたLINE公式アカウントにメッセージを送信できる - NEWT ChatのAIエージェントから、Widgetと同等の品質で回答を受け取れる - 会話履歴が保持され、文脈を考慮した回答が得られる --- ## 機能要件 ### 1. Dashboard - LINE連携設定画面 #### 1.1 新規連携画面 - LINE連携の説明と手順 - Webhook URL(自動生成、コピーボタン付き) - LINE認証情報入力フォーム: - Channel Secret(パスワード形式) - Channel Access Token(パスワード形式) - 連携有効化トグル - 保存ボタン #### 1.2 連携設定確認・編集 - 既存の連携設定の表示(認証情報は一部マスク) - 認証情報の更新 - 連携の有効化/無効化 - 連携の削除(確認ダイアログ付き) #### 1.3 セットアップガイド - LINE Developersコンソールでの設定手順 - Webhook URLの設定方法 - トラブルシューティング情報 ### 2. LINE Webhook受信機能 #### 2.1 メッセージ受信 - LINE Messaging APIのWebhookイベントを受信 - メッセージタイプの処理: - テキストメッセージ(必須) - スタンプ(「メッセージをお送りください」と返答) - その他(画像、動画など)は将来対応として一旦非対応メッセージを返す #### 2.2 セキュリティ - LINE署名検証(X-Line-Signature) - 不正なリクエストの拒否 - レート制限の実装 ### 3. AIエージェント応答機能 #### 3.1 既存Chat APIとの統合 - Widget経由と同じAIエージェントエンジンを使用 - 同じナレッジソース(FAQ、ファイル、URL)を参照 - 同じプロンプト設定を適用 #### 3.2 応答フォーマット - LINEメッセージ用にテキスト形式で返答 - 提案(suggestions)はLINE Quick Replyとして表示(将来対応) - お問い合わせフォーム誘導の場合はリンクを含める ### 4. 会話履歴管理 #### 4.1 会話の記録 - LINE経由の会話も既存の{セキュリティ観点よりマスク}テーブルに保存 - 会話ソースを「LINE」として識別 - LINEユーザーID をsessionIdとして使用し、ユーザーごとに会話履歴を保持 #### 4.2 会話履歴の表示 - Dashboardの会話履歴画面でLINE経由の会話も表示 - 会話ソース(Widget/LINE)のフィルタリング機能 - LINEユーザー情報の表示(可能な範囲で) ### 5. 使用量カウント - LINE経由のAIメッセージも既存の使用量制限に含める - {セキュリティ観点よりマスク}テーブルでWidget経由と同様にカウント - プラン制限の適用 --- ## データ要件 (簡略化のため省略) ## 非機能要件 (簡略化のため省略) ## ユーザー体験フロー (簡略化のため省略) --- ## 画面構成案 (簡略化のため省略) --- ## 制約事項・前提条件 (簡略化のため省略)
 
💡
環境:
  • CursorのPlan mode
  • Modelの選択はAuto
  • 要件定義のための、Agent用ファイルは存在しない
 

Step2: 技術調査

技術調査については、公式ドキュメントを中心に目視で進めました。
今回のLINE連携では、必要となるAPIや挙動が明確であり、参照すべき対象もはっきりしていたため、複雑な検証プロセスは必要ありませんでした。
 

Step3: 要件・技術調査結果をもとに仕様を整理してもらう

Step1・2で得られた情報をまとめ、Claude Code の Plan mode を使って仕様を整理してもらいました。
今回は、最終的な実装も Claude Code に依頼する予定でした。そのため、ファイル探索や技術調査など、仕様整理の段階で蓄積されたコンテキストをそのまま実装フェーズにも引き継げた方が、より効率的で、期待通りのアウトプットが得られます。
 
こうした理由から、要件と調査結果を一度 Claude Code に渡し、仕様として整理してもらうフローを採用しました。
💡
環境:
  • Claude Code
  • Claude Sonnet 4.5
 

Step4: 実装

Step3で Claude Code の Plan mode で何度か往復し、ある程度「期待通りの実装になりそうだ」という確信が持てた段階で、いよいよ実装フェーズに入りました。
今回はすでに Widget 向けの実装が存在していたため、その構造を模倣する形でLINE連携の実装を組み上げてもらうことにしました。Claude Code は既存のコードベースを十分に理解したうえで進めてくれるため、基本的な流れはスムーズで、大枠の実装はほぼそのまま問題なく仕上がりました。
 
もちろん、細かい部分については多少の手直しが必要でしたが、既存の実装から大きく逸れるようなこともなく、困る場面はほとんどありませんでした。
💡
  • Claude Code
  • Claude Sonnet 4.5
 
また、デザイナーがいない状況で、デザイン検討に過度な時間をかけないために、UI Componentライブラリを採用しています。Shadcnを利用しているため、それを使っているVercel等のサービスをよく参考にしています。
 
デザインやユースケースは正解がなく、考え出すといくらでも時間をかけられてしまいます。中でも、Chatbase はNEWT Chatとプロダクトの系統が近く、最小工数で最良な体験を提供するために、多くの画面で参考にしています。
 
実際に今回のLINE連携のUIを検討する過程でも、そういった議論をしていました。
今ウィジェット連携になっている部分を外部連携 / integrationsにして、chatbaseみたいな外部連携一覧画面を作りたいと思っていた!
 
Step1の要件定義を開始してからStep4の実装完了まで、待ち時間を除いた合計作業時間はおよそ1時間です。
 

Step5: チーム内レビューを元に高速で改善

実装がひと通り完了したら、すぐにチームへ共有し、フィードバックをもらいます。
実際に動いているものを見たり触ったりしてもらうことで、より良くできるポイントや改善余地を早期に発見することが目的です。
また、デザイナー不在の状態でUI実装も並行して進めているため、UIまわりの気づきや改善提案もメンバー間で積極的に送り合っています。これにより、少人数でも質を保ちながら短いサイクルで改善を回すことができています。
 
出来上がったモックをチームに共有
出来上がったモックをチームに共有
 
 

🗝️ AI時代、抽象度の高い仕事をいかにスタックさせないかが鍵


AIの進化によって、エンジニア一人あたりのアウトプット量は確実に増えました。しかし、チームや組織全体としての成果、そして最終的にカスタマーへ届けられる価値は、そのまま比例して増えているでしょうか。
実際には「個々のアウトプットは増えているのに、全体の進捗は意外と伸びていない」という現場も少なくありません。
 
特にプロダクト開発では、ロードマップ策定や要件定義などの抽象度の高い仕事がボトルネックになりがちです。大量のデータから必要な情報を取捨選択し、将来の意思決定につなげる。
── こうした領域では、依然として人間の思考能力が大きな比重を占めています。
 
一方、実装フェーズに近づくほど、AIエージェントに依頼する内容や期待値が明確になるため、AIは十分な成果を発揮します。
つまり、実装に近い領域ではアウトプットは増えているのに、上流の抽象度の高い仕事が追いつかず、開発全体のボトルネックがそこに集中してしまうのです。
 
だからこそ、PMが担ってきた抽象度の高い領域をどう効率化・高速化するかが、これからのプロダクト開発において極めて重要なテーマになってきています。これが実現できれば、PMはこれまで以上に長期戦略の策定や他社リサーチを伴うプロダクトディスカバリーなど、より本質的で高難易度の領域へ時間を投資できるようになります。
 
 

🤝 普段とは異なる抽象度合いの役割を担ってみる


これまで多くの現場では、PMが中心となって要件を検討し、そこにエンジニアとデザイナーが加わって仕様を決定。デザイナーはデザインを、エンジニアはコーディングを行う。
── そんな役割分担のもとでプロダクト開発が進んでいました。
 
しかしAIの進化により、知識を補完しながら壁打ち相手になってくれる “相棒” が生まれたことで、状況は大きく変わりつつあります。
従来は別のメンバーに委ねていた抽象度の高い検討領域でも、自ら情報を集め、仮説を立て、結論を出してみることが現実的になってきました。
 
今回のLINE連携のケースでも、要件定義の多くをAIと相談しながら進めることができました。また、NEWT Chatとは別に私が所属しているホテル事業開発チームでも、エンジニアがロードマップ検討や要件定義の初期段階から関わる動きが加速しています。もちろん最初のうちはその領域の専門性を持つメンバーによるレビューは必須ですが、ゼロから検討を依頼するよりも圧倒的にPMの工数削減につながっていると実感しています。
 
一方で、逆方向の動きも生まれています。ドキュメントに書ききれていない仕様を理解するために、PM自身がコードを読み、仕様を把握しに来てくれるケースが増えました。これにより、インパクトは大きいのに工数の不確実さから優先度を下げざるを得なかった施策にも、チームとして着手できるようになっています。
 
結果、チームのKPTで「本来やるべき価値の高い仕事に集中できるようになった」という声があがることが増えました。役割の境界がAIによって柔らかくなり、チーム全体で抽象度の高い仕事を支え合えるようになったメリットが表れています。
 
 

🔥 モック作成のスピードを早め、フィードバックサイクルの高速化を図る


前述の通り、NEWT ChatチームにはPMが一人(しかも兼務)、デザイナーは不在という状況です。
そのため、細かな仕様やデザインをすべて詰め切ってから実装に着手していては、そもそも開発に取りかかるまでのリードタイムが長くなり、非効率になってしまいます。
 
そこで私たちは、まず動くモックを素早く作り、実際に触りながらフィードバックを交わすという方法を採用しています。完成形を先に固めるのではなく、試作品を作り、その反応を見ながら具体化していくアプローチです。
 
そしてこの方法が成立する大きな理由は、UI/UXの変更をAIが高い品質を保ったまま吸収してくれるからです。よほど大きな方向性変更でない限り、細かいUIの修正やインタラクションの調整はAIが短時間で反映してくれます。そのため、メンバー全員が「まず作ろう」「触って考えよう」というモードに入りやすくなっています。
 
結果として、私たちは「大枠の仕様が固まったらすぐモックに着手し、いかに早くチームでフィードバックのサイクルを回すか」を最優先にしています。これにより、少人数でもプロダクトの改善速度を保ちながら、形にするまでの時間を大幅に短縮できるようになりました。
 
 

今後の展望


要件定義の段階からエンジニアが参加するようになったことで、チーム全体で並行して進められる施策の数は明らかに増えています。
 
各工程には必ずレビュー者が入り、一定の品質を確保できているものの、今度はコードレビューがスタックするという新たな課題が見えてきました。
 
もちろん、AIによるレビューはすでに当たり前の前提となっていますが、それだけでは追いつかない場面も増えてきています。
 
今後は、以下のような取り組みを組み合わせることで、この課題を解決し、よりスムーズにサービスの価値をお届けできる体制を整えていきたいと考えています。
💡
  • レビュー負荷を分散する新しい仕組みの導入
  • チーム内のレビュー文化・運用フローの最適化
 
 

🍀 まとめ


いかがでしたか?
AI時代において、実装スピードが向上したからこそ浮き彫りになってきた新たな課題と、その解決に向けたアプローチをご紹介しました。
 
個人が担う役割を 抽象側にも、具象側にも広げる ことで、AIによって得られた生産性向上の恩恵を、チーム全体のアウトプット、そして組織としてのアウトカムへとつなげられるようになってきています。
 
AIが「一人あたりのアウトプット」を底上げしてくれる今だからこそ、プロダクト開発のプロセスをどう再設計するかが、これから事業を爆発的に伸ばせるかどうかの大きな鍵だと考えています。

【NEWT Chat リリース記念】AI × Travel Innovation Week 開催!

12月3日より、「NEWT Chat」誕生の裏側や開発ストーリーをお届けする特別企画 “AI × Travel Innovation Week” を令和トラベルのnote上で開催中です!
「NEWT Chat」のリリース背景、プロダクトの価値、開発体制、そして今後の展望など、新規事業の “舞台裏” を12月3日〜6日まで毎日公開予定です。特に、AIプロダクト開発に関わるエンジニア・PMの皆さまにとって学びの多い内容となりますので、ぜひご覧ください。
▼ AI × Travel Innovation Week のnoteはこちら:
 

📣 『NEWT Tech Talk』のお知らせ

令和トラベルでは、毎月技術的な知識や知見・成果を共有するLT会を毎月実施しています。発表テーマや令和トラベルに興味をお持ちいただいた方は、誰でも気軽に参加いただけます。
2026年第一弾のイベントも鋭意企画中ですので、令和トラベルのconnpassページにて、チェックしてみてください!
 
 

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フランクに話だけでも聞きたいという方は、カジュアル面談も実施できますので、お気軽にお声がけください。
 
 
それでは次回のブログもお楽しみに!Have a nice trip ✈️
 

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