ここでしか聞けない “EMの本音” ー エンジニアリングマネージャーお悩み相談室 LIVE

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Aya Kimura
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Dec 14, 2025
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Engineering Management
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開発生産性
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こんにちは!令和トラベル エンジニアリングオフィスです。
 
令和トラベルでは、2025年12月4日に “2025年総決算!エンジニアリングマネージャーお悩み相談室 LIVE” と題して、2025年の締め括りとなる「NEWT Tech Talk vol.19」を開催しました!
 
2025年7月7日に発売され、話題となった書籍『エンジニアリングマネージャーお悩み相談室』。
エンジニアリングマネージャーお悩み相談室 日々の課題を解決するための17のアドバイス | 翔泳社
マネジメントのモヤモヤを解消!思うように進めないあなたを助けるヒントをご紹介 【本書の概要】エンジニアリングマネージャー(EM)として働いていくうえで、「メンバーに共感できない」「メンバーが指示に従わない」「エンジニアリングスキルが失われる」といった、EMになったからこそぶつかる課題は多くあります。日々、こうした課題と向き合い、頭を抱えることも少なくないのではないでしょうか。 本書は、そういった課題をおたより形式で紹介。実際に課題にぶつかり乗り越えてきた著者が、解決に向けたアプローチをわかりやすくアドバイスします。本書を通して、EMとしてよりよく生きていくための考え方・心構えを、みなさんの中にインプットしてみてください。 【本書の対象読者】・エンジニアリングマネージャーになりたての方・マネジメントのよりよい取組み方を知りたい方・マネージャーとしての生き方・働き方に不安がある方 〈〈EM実践者へのインタビューも掲載!〉〉 (順不同、敬称略)・佐野 元気(株式会社カオナビ)・望月 美帆(株式会社メルカリ)・熊谷 遼平(READYFOR 株式会社)・山口 隆広(ユニファ株式会社) 【目次】Part1 エンジニアリングマネジメントって難しいチームの目標って、どうやって立てたらいいの?チームが順調なときは、自分は何をしたらいいですか?どうやったら自律的なチームになりますか?メンバーに仕事を振るのが苦手です.... Part2 チームの向きを揃えるって難しいメンバーの向きがバラバラで目標を達成できません環境の変化でチームの方向性を見失いました......チームと経営方針のすれ違いに悩んでいます雰囲気はいいけど目標は達成できませんでした Part3 ピープルマネジメントって難しいメンバーにまったく共感できないんですがマネージャー失格ですか?ネガティブなフィードバックができませんメンバーの希望とズレたアサインメントをしたいのですが......メンバーの成果を周囲に認めてもらえません Part4 事業目線を持つって難しい組織・事業のことまで視野を広げるには?採用活動って何から始めたらいいですか Part5 EMのキャリアって難しいエンジニアリングの勘が失われるのが怖いです他職種のマネジメントをすることに。何から始めたらいい?経営視点って、どうやって身につけたらいいの?
エンジニアリングマネージャーお悩み相談室  日々の課題を解決するための17のアドバイス | 翔泳社
 
書籍出版を記念して、今年の夏「Developers Summit 2025 Summer」にて、著者であるArataさんと、書籍レビューに参加したEMたちが集い、パネルディスカッションを行いました。
▶︎当日のイベントレポートはこちら!
 
「あの日だけでは話し足りない!」そんな熱い思いから、スピンオフ企画として、あの日のメンバーが再び集結し、一夜限りのイベントを開催しました!
 
この記事では、アーカイブ公開なしの “オフレコ” 本音トークとなったパネルディスカッションの様子を一部ご紹介しながら、当日の様子をレポートします!「当日見逃しちゃった!」という方はぜひ最後までご覧ください!

「NEWT Tech Talk」とは?

令和トラベルのエンジニアリングチームは『あたらしい旅行を、デザインする。』というミッションのもと、日々多くの課題を解き続けています。
仕事に取り組む中で得た個々の知見をチーム全体に還元し、みんなで学び、成長するために、私たちはTech LT会「NEWT Tech Talk」を開催しています。
 

🎤 スピーカーのご紹介

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Makoto Arata / X

株式会社LayerX
バクラク事業部 エンジニアリングマネージャー
ソフトウェアエンジニアとしてキャリアをスタートし、前職では執行役員CTOを務めた。現在はLayerXにて「バクラク申請・経費精算」のEMを担いつつ、コミュニティ「EMゆるミートアップ」、カンファレンス「EMConf JP」を運営している。著書に「エンジニアリングマネージャーお悩み相談室 日々の課題を解決するための17のアドバイス」。
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ODANAKA IKUO / X

株式会社カケハシ
SCM Domain Head of Engineering
株式会社ナビタイムジャパンでVP of Engineeringを務め、2023年10月にエンジニアリングマネージャーとして株式会社カケハシにジョイン。2025年3月よりHead of Engineeringを務め、「しなやかな医療体験」を実現するべくチームマネジメント、組織開発などに奔走している。著書は『いちばんやさしいアジャイル開発の教本』(市谷聡啓、新井剛と共著)、『アジャイルチームによる目標づくりガイドブック』。
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MITANI SHOHEI / X

株式会社スマートバンク
エンジニアリングマネージャー
2020年にスマートバンクに参画後、サーバーサイドエンジニアとして、カード決済システム、オンライン本人確認システム、入金システムなど多岐にわたる機能を開発し、「ワンバンク」のローンチに携わりました。 2024年からはEngineering Managerとして、アプリ上でお金を借りられる機能「あとばらいチャージ」の開発チームを率いています。
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miisan / X

株式会社令和トラベル
Head of EngineeringOffice
2022年から旅行アプリ『NEWT(ニュート)』を運営している令和トラベルの1人目QAエンジニアとしてQAチームを新設。現在はプロダクト開発組織全体のマネジメントや組織作りに携わっている。直近は、AX室にて全社AIリテラシーの向上など、"AIファーストカンパニー"目指して奮闘中。

🤫 ”オフレコ” 本音トークのパネルディスカッションを一部ご紹介!

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今回のパネルディスカッションは、AI時代におけるEMの役割変化から、メンバーとの対話を通じた成長支援まで、多岐にわたるテーマで “オフレコ” の深い議論が交わされました。
特に盛り上がったテーマについて、少しだけご紹介していきます!
 

#1. EMの全領域をカバーできない中で、チームの成果を出すために「できること」をどう増やしていくか?

EMは完璧な存在ではもちろんないため、全ての領域をカバーする必要はなく、マネージャー以外でもできる仕事を分解し、チーム全体で役割分担することで、メンバーの成長機会としたりマネージャー自身のWillや得意領域にコミットメントしていくことも重要という共通認識がありました。
特にAI時代においては、AIを専門外の知識を学ぶための最初の壁打ち相手として活用することで、課題への飛び込みやすさが格段に向上したというような、具体的な事例も紹介されました。
 

#2. メンバーの技術スキルや知見が、マネージャーを上回っている場合の成長支援と評価のあり方

メンバーのスキルや知見がマネージャーを上回っている状況は「健全なもの」であり、マネージャーは、高いスキルを持つメンバーが全力で走れるよう障壁を取り除き、メンバーが最も輝けるような「場作り」や「課題設定」、「ロードマップ」を作っていくことが本質的なValueなのではないかという話がありました。
評価においても、技術力や専門性だけを評価に直結させるのではなく、事業インパクトや影響範囲などで目標を握る工夫が必要という話もあがりました。
さらに等級設計に関しては、全社としては抽象的な評価基準で設計されていることが多いため、マネージャーがメンバーそれぞれに向けた役割や期待値を具体的な行動レベルに「翻訳」して、都度伝え、メンバーそれぞれと合意することが、納得感のある評価にも繋がると話しました。
 

#3. マネジメントされる側(メンバー)としての心構え

このイベントの参加者の割合がEM(マネージャー)とメンバーが半数ずつということもあり、メンバーとしての心構えについても触れました。
マネージャー目線では、メンバーは自分の能力が “成長できる” という「しなやかなマインドセット」を持つことことで、マネージャーからのフィードバックを「批判」ではなく「成長の機会」と受け止めやすくなり、スタンスとして重要なのではないかと話していました。
また「やりたいこと(Will)」が明確でなかったり、言語化できていなくても、まずは目の前の期待されている仕事や役割に全力を注ぎ、その中で楽しさや苦手なことをマッピングしてWillを見つけ出すことで、自分の可能性を広げていけるのではないかと議論しました。
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 🥂 懇親会の様子

イベントのあとは、毎回恒例のオフライン(現地)参加のみなさまとの懇親会を開催!
パネルでは拾いきれなかった質問やテーマ、語り尽くせなかった内容について、スピーカーと参加者との間で活発なコミュニケーションが生まれました。
AI時代においてマネジメントのあり方、組織のあり方も大きく変わってきた2025年。今年みなさんが直面したマネジメント課題やリアルな悩み、ナレッジなどを共有しあい、とても有意義な時間になったようでした。
 
今回も、令和トラベルオフィスまでご足労くださった皆様、本当にありがとうございました!
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 ✨ 登壇者たちからの感想

今回登壇した4名のみなさんに、登壇後の感想をお聞きしましたので、簡単にご紹介させてください!
🗣
ODANAKAさん:
パネルディスカッションはもちろんですが、懇親会で参加者の方々とDeepなマネジメント課題についてわかちあえたのが最高の体験でした!
🗣
MITANIさん:
マネジメントに関わる皆さんの生の悩みに触れることができ、一緒にディスカッションできて楽しかったです!
🗣
Arataさん:
皆さんのライブなお悩みを一緒に考えることができて、とても楽しかったです!明日から使えるヒントを持ち帰っていただけたら嬉しいです。引き続き「エンジニアリングマネージャーお悩み相談室」をよろしくお願いします!
🗣
miisan:
様々な色の悩みを一緒に考えられて、本当に楽しかったです!マネージャー自身の悩みって、組織の中だとどうしても後回しになったり、消化しきれなかったりするので、こうやって横のつながりを持って、みんなで一緒に向き合える時間が尊いと感じました!
 
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<おまけ> エンジニアリングマネージャーのお悩みこぼれ話

当日は、1時間ほどの時間を使い、様々なテーマについて議論しましたが、オフライン・オンライン参加ともに、たくさんのご質問やトークテーマをいただき、当日すべてをピックアップしてお話することができませんでした。
イベント終わりにアンケートでさらに深く知りたいと感想をいただいたものや、登壇者たちが気になったトピックスについて後日談があるので、ここではいくつか紹介させてください!
 

マネージャー自身の悩みに切り込む

ODANAKAさんがマネージャーの忙しい問題、いわゆる”兼務問題”や日々忙殺されていて組織貢献できている実感がないというマネージャーの効力感について記事にしてくれました!
▶︎ 絶対に避けるべき「地獄の兼務」と、あえて選ぶ「例外的兼務」の話
▶︎ マネージャーが『自分は役に立っているのか』と不安になったら
 
ここからは、参加者アンケートで追加質問いただいた悩みに対して、令和トラベルのmiisanがお悩みに回答します!

組織が認識していない課題への切り込み方

 
❓ EMは組織として穴が空いているところを埋めにいくとのことですが、自分が穴だと認識しているけど、組織全体では認識されていない穴についてはどう埋めにいけばいいですか?
 
🅰️ いきなり「穴を埋める作業」に入るのではなく、その穴を埋めることが組織にとって有益であると合意形成するプロセスから始めてみましょう!
 
  1. 「翻訳」して組織の課題に接続する
    1. 課題発見からスタートし、課題解決する力はマネージャーに求められることの一つですが、”自分の課題”から、”組織の課題”に昇華することが大事です
  1. 小さく実績を作る
    1. 組織全体を説得するコストが高い場合、承認を得る前に自分の裁量の範囲内で、小さく始めちゃうというのもありだと思います
  1. 仲間を見つける
    1. 「これって課題だと思いませんか?」など、周りの人に壁打ちすることで温度感や優先度などを客観的に把握するというのも良いアプローチだと思います
 

メンバーの「とりあえずやってみるマインド」の育み方

 
❓ マネジメントされる側の心構えについて、とりあえずやってみるマインドはどうやって育めば良いでしょうか?
 
🅰️ メンバー個人の資質の問題ではなく、「とりあえずやっても大丈夫な環境や構造・カルチャー」をどう作るか?と捉えてみましょう!
 
  1. 「可逆性」を判断基準にする
    1. 意思決定には “1way”と “2way”があると言われています。後戻りできないことは慎重に進めるべきですが、2wayな意思決定やチャレンジは「やってみちゃおう!」の精神で後押ししてみるといいと思います
  1. チャレンジ枠のミッションには成果ではなく”プロセス”を評価する
    1. 期待値を成果においてしまうと、一度の失敗で次の挑戦ハードルが上がってしまうものです
    2. チャレンジ枠のミッションに対しては、着手したこと、チャレンジしたこと自体を称賛するフィードバックループを回してみてください
  1. 行動のコストを下げる
    1. 新しいことへのチャレンジは腰が重くなります…(マネージャーも同じはず)
    2. 具体的に腰が重いメンバーに対しては、本人の動機付けになるフックポイントを明確にしたり、行動のコストを下げる前準備を支援しておけると良いと思います
 
ほかにもたくさんのご質問やテーマリクエストをいただき、とても活発な議論やリアルな話題などで、2025年の締めくくりにふさわしい盛り上がりとなりました!
 
当日回答しきれなかった質問の一部は、書籍『エンジニアリングマネージャーお悩み相談室』内でも具体的なアプローチや実践例を学べるので、ぜひエンジニアリングマネジメントの悩みが尽きない!という方は、参考にしてみてください。
また、機会があれば続編のイベントや、違った切り口でのテーマでイベントを開催できればと思っております。
 
2025年最後の開催となった「NEWT Tech Talk vol.19」。
今年もNEWT Tech Talkの開催をはじめ、ブログ発信、外部カンファレンス出展など、Tech brandingとしての活動にたくさん取り組んできました。
来年も、令和トラベルメンバーはもちろん、社内外ともに ”LEARN NEW” となる機会をたくさん生み出していきたいと思っておりますので、みなさまどうぞ楽しみにしていてください!
 

📣 『NEWT Tech Talk』のお知らせ

令和トラベルでは、毎月技術的な知識や知見・成果を共有するLT会を毎月実施しています。発表テーマや令和トラベルに興味をお持ちいただいた方は、誰でも気軽に参加いただけます。
2026年第一弾のイベントも鋭意企画中ですので、令和トラベルのconnpassページにて、チェックしてみてください!
 

NEWT Product Advent Calendar 2025』開催中!

2025年も残すところわずか。今年一年を締めくくるべく、12月1日より「NEWT Product Advent Calendar 2025」を開催いたします!土日を除く全20日程、総勢20人のプロダクトチームメンバーがバトンを繋いでいきます。
令和トラベルのプロダクト開発をさまざまな視点で語り続ける20日間をお見逃しなく!
 

【NEWT Chat リリース記念】AI × Travel Innovation Week 開催!

12月3日より、「NEWT Chat」誕生の裏側や開発ストーリーをお届けする特別企画 “AI × Travel Innovation Week” を令和トラベルのnote上で開催中です!
「NEWT Chat」のリリース背景、プロダクトの価値、開発体制、そして今後の展望など、新規事業の “舞台裏” を公開予定です。特に、AIプロダクト開発に関わるエンジニア・PMの皆さまにとって学びの多い内容となりますので、ぜひご覧ください。
▼ AI × Travel Innovation Week のnoteはこちら:
 
旅行・観光業に特化したAIエージェントチャット「NEWT Chat(ニュートチャット)」についてはこちらから。
 

1年間の感謝を込めた、”クリスマスセール🎄” 開催中!

NEWTでは現在、海外旅行やホテルをおトクにご予約いただける『クリスマスセール🎄』を12/4〜スタートしています!ぜひこの機会にご利用ください!
 

令和トラベルでは一緒に働く仲間を募集しています

この記事を読んで会社やプロダクトについて興味を持ってくれた方は、ぜひご連絡お待ちしています!お気軽にお問い合わせください!
フランクに話だけでも聞きたいという方は、カジュアル面談も実施できますので、お気軽にお声がけください。
 
それでは次回のブログもお楽しみに!Have a nice trip ✈️
 

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